先日、少しセミナーでお話をさせてもらったトップと右腕の関係についてアウトプットも兼ねて書いてみました。
強い組織を作るためには、NO2もしくは右腕の存在が書かせません。
個人事業主の集まりではなく、強い組織を作るためにはという内容をまとめてみました。
10年で100社以上の中小企業とお付き合いしてきた経験を元に、右腕が育っている企業の傾向などもまとめています。
目次
私の考える右腕の理想像3つ
まず、組織における右腕の理想像について明確にしてみます。
トップの方針を1番に実行できる人
質・量はもちろん、社長がこれをやると言ったら真っ先に実行できる人のことを差しています。
右腕が実行しなければ他の社員・スタッフも社長はああ言っているけど、右腕もやってないし私たちもやらなくて良いやと思われてしまうため、右腕が1番早く実行し、かつ、質・量ともに1番なのが理想です。
最低でも早さで1番は絶対に必要です。
トップのビジョン・価値観を同じ言葉で伝えられる人
トップが言っていることと、右腕が言っていることが違うとスタッフは混乱します。
また、「トップはああ言っているけど、現実は違うよな」とか、「トップが飽きるまでテキトーにやっておけば良いんだよ」とか言う右腕は影響力が大きいため最悪です。
そこまでの批判はしなくとも、「うちのビジョンはお題目」だからとか、「非現実的だから」とかスタッフに伝えてしまったり、「ビジョンはこうだけど現実的にはこう思えば良いんだよ」と勝手な解釈を伝えてしまったりすると組織は一丸になれません。
社員スタッフの勤続年数や役職に応じてわかりやすい言葉で伝えるのは構いませんが、本質の部分で同じ言葉で伝えられる人が右腕の理想です。
トップの足りない部分を補える人
完璧なトップはいません。
そして、どんなに率先垂範しようとしているトップでも、悪意を持った目で見てしまえば足りない部分は必ず見えてしまう。
人はもともと他人の短所と自分の長所を比べて、あの人はここが欠けていると見てしまう傾向があるので、多くの人から見られるトップの短所はより目立つからです。
心理学のテストの中にも、欠けた円と欠けてない円を比べると欠けた円のほうが気になると答える人が多いという統計もあるくらい、人は欠けているところが気になるものらしいです。
トップの足りない部分を他のスタッフと一緒になって批判するのではなく、補える人が右腕です。
そして更には、俺が補っているんだという態度をとるのではなく、さりげなくトップをサポートし、社員・スタッフに向かって、ほらうちのトップは素晴らしいでしょと言える右腕が理想像です。
どうしたら右腕は育つのか?
上記の理想の右腕像はわかるが、そんなことは知っている、どうしたらそんな右腕が育つのかこそが知りたいことなんだというトップの方が多いと思います。
明確な答えはないかもしれませんが、私が10年間中小企業のお手伝いをさせていただいて気づいた右腕が育っている会社のトップの方が実践していた傾向をご紹介します。
率先垂範
すべてを完璧にすることは難しいですが、右腕はもちろん、社員・スタッフは想像以上にトップを見ています。
トップが自分で言ったことを自ら率先して実行しているか?これはとても大事です。
トップが宣言したのに、トップが実行していない会社には右腕は育っていませんでした。
※朝令暮改は良いことです。ただし、一度言ったのであれば、辞めるときには辞めると宣言することが大切です。右腕を含めた社員・スタッフが混乱するのは、トップがやると宣言したのに何事もいつの間にかやらなくなっているということが習慣になっているケースです。
右腕はトップを信頼し、そして尊敬していなければ育ちづらいと思います。
もちろんトップも人間ですから苦手なこと出来ないこともありますが、トップが出来ないこと苦手なことに取り組んでいる会社のほうが右腕が育っている傾向がありました。
結果ではなく、姿勢が大事という意味での率先垂範が大事だと思います。
最悪なのは、俺は例外、俺はやらなくても良いと公言しているトップです。
コミュニケーションの量
トップと右腕のコミュニケーションの量が半端ではありませんでした。
電話、メールを問わず、こんな事業を考えているとか、今日は面白いことがあったとか、こんなこと思ったんだけどとか、とにかくコミュニケーションの量が多いのが特徴でした。
量が多いだけで、実は質はそれほど高くないケースもあったと思いますが、量が多いことで「お互いの価値観や考え方の擦り合わせ」が出来ていたように思います。
たいしたコミュニケーションも取らずに、右腕が育たないと言ってはいないでしょうか?
また、コミュニケーションを取っているつもりでも「やっている」の基準が低いケースもあります。
右腕を育てたいのであれば、毎日欠かさず2時間以上、対面または電話でコミュニケーションをとってみてください。
それでも右腕が育たないときに始めて「右腕が育たない」とぼやきましょう。
右腕を信頼する
トップから見たら右腕は物足りないと思っているケースが多々あります。
結果、右腕を叱ったり、何でできないんだと詰めたり…
右腕が育っている組織では、右腕に任せ、右腕が失敗しても彼(又は彼女)にできないのであれば、今のうちにできる人はいない良くやったという姿勢で接していました。
右腕は信頼に答えようと更に成長しようとします。
その辺の見ず知らずの人であるならともかく、トップであるあなたが選んだ右腕なのですから信頼して任せてみましょう。
人前で誉める
うちは彼(又は彼女)がいるから助かっている、彼のお陰でトップである私が楽をできるなどと、スタッフはもちろん、お客様、仕入先、その他関係者の前で誉めましょう。
間違っても、彼がもう少ししっかりしてくれたら助かるのになどということは右腕の育っている会社のトップは言ってませんでした。(本人がいないとこでもそういうことを言っていると回り回って本人の耳に入ります。本人の目の前で言うより致命的です。)
彼は本当に優秀で私なんかにはもったいない、うちの会社に来てくれて本当に幸せだ、などというトップの方の組織にこそ、前述した理想に近い右腕が育っていました。
理想の右腕との在り方
私が考える理想の右腕との在り方です。
信頼と尊敬
お互いがお互いを信用し尊敬し合えていることが右腕との理想の在り方です。
一方が信頼も尊敬もしていないのに、相手から信頼や尊敬をしてもらえるわけがありません。
トップが、右腕に任せるのは不安だと思っていれば、右腕はトップにこのままついて行っていいのかと不安に思います。
まず信頼するから信頼される、尊敬するから尊敬される、まずは自分からという姿勢が大切だと思います。
役割分担
トップが社員・スタッフを叱ったら、右腕がフォローする、逆に右腕が叱ったら、トップをフォローするという役割分担ができる会社が業績も社風も良かったです。
更にいえば、トップが誉める役割、フォローする役割の組織のほうがうまく行く傾向がありました。
トップが好かれている会社・組織のほうがうまくいっているケースが多かったというのが体感であります。
ですので、右腕は自分の人気取りではなく、嫌われる覚悟で会社にとって必要なこと、そのスタッフの成長のために必要なことを言える人でなくてはいけません。
一方で、トップは右腕が嫌われ役をしてくれている場合には、少しくらい他の社員・スタッフに怒りを感じることがあっても右腕に任せること、そしてスタッフの右腕に対する嫌悪感をフォローするために、「彼(右腕)はあなた(社員・スタッフ)のことを考えてそういうことを言ったんじゃないの?言いかたはキツイけどちょっと考えてみて」や「キツく叱ることもあるけど、彼しかうちの会社では叱ってくれる人はいない、彼がいるからうちの会社は締まるんだよ」など、右腕のやっていることの意味を伝えることが必要です。
誰も好き好んで嫌われ役をやる人はいません。
すべてはトップのため、会社のため、スタッフのためです。
嫌われ役に徹してくれているのに、トップが一緒になって右腕の批判をしていたら、右腕のいる場所はなくなってしまいます。
お互いが会社の立場で考えられる
トップ、右腕、ともに人間ですから、感情があります。
スタッフに対する想い、商品・サービスに対する想い、自分の思い入れのあるお客様に対する想いなど、個人的な想いや感情があります。
しかし、個人的な感情ではこうしたい、でも会社としてはこうすべきでは?という意見をお互い考えられる関係が理想です。
トップの右腕に対する姿勢
・右腕を信頼し、自分の出来ない部分ができる人と信頼する。
・右腕を人前で誉める。
・右腕を人前で叱らない。
・右腕とコミュニケーションをとる。
・決断は早く、今は決めないというのも決断の1つ。悩んでいる姿は不安を招く。
・右腕が嫌われ役をしてくれている場合は、適度にフォローする。
右腕のトップに対する姿勢
・トップを信頼し、尊敬する。
・トップの批判を人前でしない。
・トップと意見が違っても2人きりのとき以外、反論しない。
・人前ではひたすらトップを立てる。
・トップに短所や欠けている部分があるからこそ自分の活躍の場があると思う。
・嫌われ役を引き受けてでも、トップが好かれる環境、社内の雰囲気を作る。
編集後記
事例は省略しましたが、私が理想だと思うトップと右腕の関係、そして右腕が育っている企業の傾向についてまとめました。
社長がグイグイ引っ張ってきて成長しているけど、そろそろ組織化や仕組み化していかなければいけない、自分の後方を固めてくれる人が育ってくれたらと思っている経営者のかたは多いのではないでしょうか?
最近、そういうお客様からの問い合わせが増えていて、実際にお手伝いさせていただくケースも増えてきました。
10人未満から10人以上になるために組織化、仕組み化を進めたいという企業様が多くなっています。
私の経験が、そういう方のお力になれたらと思っています。
最近、ブログの更新が滞っていましたが、月2くらいのペースで、今年は更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
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