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現役の銀行員の話から考える、金融機関の実態とジレンマ

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こんばんわ。
Belink(ビリンク)の吉田和矢です。

先日、現役の銀行員と情報交換会という名の飲み会をしてきました。

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仰々しいタイトルをつけましたが、あくまで私が現役の銀行員と話をしていて感じたことです。

金融機関の役割とは何か?

金融機関の役割とは何か?と聞かれて何をイメージするでしょうか?

中小企業経営者なら、真っ先にお金を貸してくれるところと考えると思います。

他にも役割はありますが、今回はお金を貸すという役割を前提として書かせて頂きます。

実際に融資担当になると、厳しい貸し出し残高のノルマや新規開拓ノルマがあり、いかに貸せるお客様を探すかということが仕事の1つになっているようです。

結果、現在は少なくなってきているものの、返済できるかどうかを融資担当者がしっかり審査することなく、金融機関ごとにある審査部の審査を通過するか否か、国や金融庁の方針を前提に貸し出し先を決めているケースも多くあったようです。

その結果が、リーマンショック後の緊急融資制度です。

保証協会が100%保証することを前提にたくさんの金融機関が貸し出しを実行しました。

結果、金融モラトリアム法案によるリスケの多発から現在に続いています。

その当時、緊急融資という名の元に大量に貸し出しをしていましたが、現場を知っている融資担当者がこの会社はこれだけ貸しても間違いなく返済できると思って貸し出している案件はほとんどなかったでしょう。

会社の方針だから貸したという担当者がほとんどだと思います。

つまり、国及び金融庁の方針によって、金融機関の対応は大きく変わるということですね。

現在、金融機関に求めれていることは?

前々から、借入の際やリスケの際に、事業計画や再建計画の策定が求められるケースが増えてきています。

そして、現在は経営者に策定できない場合には、金融機関で策定のサポートをするようにとなりました。

今まで「絵に書いた餅のような計画」が多かった中、今後は現実的な計画が求められるようになるでしょう。

そして、金融機関の担当者には、事業の立て直しのための融資や会社を本当によくするための融資をすることが求められるようになります。

そのためには、経営の勉強をする必要が出てくるわけです。

しかし、経営をしたこともない、その業種の素人の金融機関の間にどこまで出来るのでしょうか?

そのために国の政策としては、再生支援協議会をはじめとした、専門家による支援機関を作っていますが、これもどこまでできるのか、怪しいところです。

そして、金融機関の担当者レベルで本当に会社の経営まで考えてやっている人は今でも1割いるかいないかだそうです。

この事実をどう捉えるか?

ここがカギになりそうです。

金融機関の厳しいノルマはまだまだ健在

厳しいノルマと書くのが正しいかわかりませんが、金融機関はお金を貸して、その利息が大きな収入源の1つです。

返済期日があるので、当然放っておけば貸し出し残高が減り、利息収入が減っていきます。

つまり、融資担当者に新規貸し出しの目標があるのは当然のことです。

経営改善できるような能力が求めれれているが、経営をしたことのない金融機関の担当者に経営改善は難関、しかし仕事がら貸し出し先を見つけなければいけない、せっかく見つけても経営改善計画がイマイチだから本部の審査が通らない、結果貸せない・・・

という悪循環が起きる可能性が大いにあるわけです。

この矛盾をどう活かすか、これはある意味チャンスだと思います。

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編集後記

結局、現役銀行員の話から考えると書いておきながら、まったく現役銀行員の話は出てきませんでしたね。

しかし、今回のことから、今後、金融機関とどうつきあっていくかのヒントがあったと思います。

まずは、金融機関が考える経営改善とは何なのかを理解することです。
(例:売上アップの計画より、固定費削減の計画を評価する傾向がある等)

その上で、経営者が本当の意味で自分の会社の経営をしっかりと理解し、数字で語れるようになることです。

これ絶対です!!

結局、金融機関の人には経営はわかりません。

そして、経営者の勘や感覚には投資することも出来ません。

経営者がしっかりと自社の経営について考え、誰もがわかる共通言語である数字で金融機関の人にプレゼン出来るか?

あとは、国などが用意した経営改善のための機関を利用することです。

こういう機関のお墨付があると金融機関はお金を貸しやすくなります。

でも、そのためには、やはり経営者が経営者になることです。

昔は、営業ができたり、1流の技術者だったりすれば、ある程度の規模までの会社の経営ができました。

しかし、現在は様々な能力が必要になっています。

それを嘆くのではなく、他と差をつけるチャンスだと思い学んでいくことが大切ですね。

私たちも財務のサポートを通じて、財務に強い経営者を増やしていきます。

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