人手不足の時代に入ったと言われてから数年が経ちます。
2012年ごろまでは、不況、デフレなどと言われ苦しかった中小企業の経営ですが、
2013年以降は仕事はあるけれども、人が足りないという状況がちらほらと出始めていました。
そして、現在、採用、教育、離職などあらゆる人の問題で苦戦している中小企業が大半を占めるようになってきています。
そんな厳しい時代に中小企業はどんな対策をとったら良いかを考えてみました。
目次
人手不足時代の到来
今更あえて書くことではありませんが、人手不足が本格的に話題になり始めたのは2014年ごろからだったと記憶しています。
私のTwitterでも
メモ:
「人手不足倒産」じわり増加 11月倒産件数26年ぶり低水準でも https://t.co/dmj8vBhflI— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) February 15, 2017
メモ:
「人手不足倒産」じわり増加 11月倒産件数26年ぶり低水準でも (link: http://s.nikkei.com/2kpqVsl) s.nikkei.com/2kpqVsl
メモ:
【衝撃】すき家が次々と「人手不足」で閉店… 実際に働いているアルバイト達の悲痛な声をご覧ください – NAVER まとめ http://t.co/vnbGjnhdTo— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) March 24, 2014
メモ:
【衝撃】すき家が次々と「人手不足」で閉店… 実際に働いているアルバイト達の悲痛な声をご覧ください – NAVER まとめ http://bit.ly/1f5j9pc
メモ:
ワタミ、人手不足解消へ60店閉鎖 居酒屋の1割 :日本経済新聞 http://t.co/DZCkf6GWpu— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) March 29, 2014
メモ:
ワタミ、人手不足解消へ60店閉鎖 居酒屋の1割 :日本経済新聞 (link: http://s.nikkei.com/1jbCZUK) s.nikkei.com/1jbCZUK
メモ:
人手不足の建設業界、火を噴く人材争奪戦 (東洋経済オンライン) – Yahoo!ニュース http://t.co/uYRRB1BQB6— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) March 31, 2014
メモ:
人手不足の建設業界、火を噴く人材争奪戦 (東洋経済オンライン) – Yahoo!ニュース (link: http://bit.ly/1jO7cMg) bit.ly/1jO7cMg
メモ:
(1/2) アルバイト時給、ここ数か月「最高値」記録 外食産業の人手不足深刻、1000円でも確保できない : J-CASTニュース http://t.co/ZlVbrip6pC— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) April 8, 2014
メモ:
(1/2) アルバイト時給、ここ数か月「最高値」記録 外食産業の人手不足深刻、1000円でも確保できない : J-CASTニュース (link: http://bit.ly/1en4zcP) bit.ly/1en4zcP
などという話題をつぶやいています。
人口が減少していくことは昔から予想されていたことなので、人手不足になることは予想されていました。
しかし、それを見越して準備をしてきた中小企業は本当に少ないと思います。
私は2006年に社会人になり税理士法人に勤務しましたが、
リーマンショック、東日本大震災、円高など本当につらく厳しい時期を、
お客様の社長と過ごしました。
当時は本当に赤字の会社が多く、借入をしてどう乗り切るか、みたいな相談をたくさん受けていた印象があります。
2013年は海外を転々としていたのでわかりませんが、
2014年に独立して一気に状況が変わっていた驚きを今でも覚えています。
そのころは円高も解消され、デフレ時代に抑えていた消費や投資、採用などをどこも一気にやりはじめたので、中小企業も仕事が増え、人手が足りない状況でした。
とはいえ、日本の人口が減っていき少子高齢化がさらに進む以上、これから人手が今以上にいる時代はやってきません。(人手不足の売手市場から買手市場になることはあると思いますが。)
AIとIT、そして機械化の時代はすぐそこに
人手不足時代を乗り越えるために期待されているのは、AIやITの活用、そして機械化などによる労働に頼らない仕組みづくりです。
現に、金融機関では、
終身雇用はもちろん、今の人手不足、売り手市場にあぐらをかいてはいけないと思う。
自分自身に投資をして価値を高めないと。
メモ:
三菱UFJ、9500人分の仕事自動化 国内従業員の3割 : 日本経済新聞 https://t.co/1Abm3RxxQo— 吉田和矢 Kazuya Yoshida (@kazuya__yoshida) September 20, 2017
終身雇用はもちろん、今の人手不足、売り手市場にあぐらをかいてはいけないと思う。
自分自身に投資をして価値を高めないと。
メモ:
三菱UFJ、9500人分の仕事自動化 国内従業員の3割 : 日本経済新聞
など、さっそく人に依存しない仕組みづくりをしています。
国内従業員の3割相当の仕事を自動化するのだからすごいことです。
細かいツールの説明は割愛しますが、中小企業が利用できるようなITツールもたくさん出ています。
ひと昔前では、会社に来なければメールを確認できませんでしたが、今ではスマホでどうにでもなります。
また、在宅でも仕事ができるリモートツールもたくさん出ています。
必ずしも会社に集まって仕事をする必要性がどんどんなくなっています。
中小企業の人手不足時代の苦悩
採用が困難、離職率が高い、教育が難しいなどの問題で苦悩している中小企業経営者が多いのではないでしょうか?
採用ができない
人手不足にともなって大手や勢いのある会社が給与を高くしたり、福利厚生を充実したり、働き方に幅を持たせたりしていて、それが難しい中小企業には採用が困難な時代となっています。
中小企業には中小企業の良さがありますし、自社の独自性ややりがいなどを前面に出してブランディングするなど
やるべきことはありますが、現実はなかなか厳しいです。
離職率が高い
ひと昔前は、会社を辞めたら将来が不安という人が多く退職も思いとどまる人が多かったですが、今は辞めても次がすぐに見つかりますし、フリーランスとして生きるというのも昔より簡単になりました。
そのため、少しでも納得のいかないことがあると、退職するというリスクが会社にはつきまとうようになりました。
もちろん、社員が幸せになるために会社があるので、社員の働きやすい会社、やりがいを感じる会社を作るべきではあるのですが、そうは言っても人数が2人以上になれば求めるものは人それぞれです。
その中で組織を運営するためには、ルールや我慢してもらわなければいけないこともあります。
昔だったら、会社なんだからとか、社会人として当たり前といえばなんとかなっていたことが、今では難しくなっています。
このあたりもどちらが良い悪いではなく、時代と環境が変化しているので、変化に対応していかなければいけないという話ではあるのですが、中小企業には難しい問題として横たわっています。
教育が難しい
ワークライフバランスや働き方改革が叫ばれ、プライベートを大切にする人たちが増えています。
入社したばかりの社員の多くは、戦力になるために技術を学ぶ必要があります。
必要なスキルが何かや研修という制度は昔からありますが、それを覚える時間は会社には用意されていなかったのが普通でした。
「会社は結果を出すところであって、勉強しにくるところではない」
とよく言われていました。
技術習得に必要な本は紹介されても、(場合によっては紹介もされず自分で考えろでしたが、)それを読む時間は就業時間内には与えれないことが当たり前でした。
しかし、今はそういう時間を与えられる会社や、研修が充実している会社が多くなっています。
個人的には、本人のために与えられたものをやるのではなく、自主的に、しかもできれば自分の頭で考えて、かつ、自分の時間やお金を使って学んだほうが、自分のスキルになるわけですから、意味があると思っています。
そして、自分でスキルを身につけるという将来にわたって役に立つハウツーを身につけられるはずだと。
話が横道にそれましたが、それに加えて転職が簡単で数年でスキルを身につけて転職するという人も増え、教育して人材の充実を目指していくのが困難になりつつあります。
アウトソーシング(=外注化)の勧め
この問題を解決する方法が、アウトソーシングだと思っています。
私はこのブログを書いているBelinkも含め3社の経営を、1社の役員をやっています。
実際にアウトソーシングをしだして、かなり楽になりました。
経理・労務・法務などのバックオフィス業務のアウトソーシング
絶対にアウトソーシングしたほうが良いのは、経理・労務・法務などのバックオフィス業務のアウトソーシングです。
まず、中小企業に1人工分のバックオフィス業務はありません。
正社員なんてもってのほかですが、アルバイト1人でも人員過多の中小企業がほとんどではないでしょうか?
そして更には教育するのが難しいという問題があります。
美容室なら髪を切ること、飲食店なら食事を作り提供することなど、本業に関してはノウハウも蓄積されているはずですが、経理・労務・法務に関してはノウハウもありません。
また、1人でも多いくらいですので、2人を雇う余裕はありません。
退職してしまったらとても困るというリスクがあります。
これをアウトソーシングすることで、採用コスト、教育コスト、退職リスクが軽減されます。
更に、アウトソーシングされる会社ではたくさんの事例を扱っていますので、ノウハウがたくさん蓄積されています。
ただの作業屋さんではなく、相談にも乗れて提案もできる企業もあります。
乱暴な言い方をすれば、中小企業が弁護士、税理士、社労士などの士業すべてと顧問契約することも金額的に難しいですし、頼む回数を考えると顧問契約までは不要な中小企業が多いと思います。
アウトソーシング先の会社が、士業とつながりを持っていて、必要なときに必要な士業に依頼してもらえたら、これほど便利なことはないと思います。
ここからは自社の宣伝になってしまいますが、
Belinkではコンサル業をやっています。
コンサル業では提案や相談がメインですが、相談を受けて提案をしたときに実行する段階になってネックになるのが、時間がないという問題でした。
本業に直結しない業務で時間がなくなっているケースがほとんどでしたので、アウトソーシングも受けられる体制を作りました。(連携している士業の方もたくさんいます。)
私が経営している他の会社もそれを使ってアウトソーシングしていますが、作業がかなり減り助かっています。
気になる方はぜひご連絡ください。
本業の一部をアウトソーシング
映像制作の会社とヨガスタジオでは、本業の一部もアウトソーシングしています。
映像制作では撮影・編集の大半はフリーランスの方への委託です。
ヨガスタジオのインストラクターも委託でやっています。
これに関しては企業への委託と違って、教育は必要ですし、募集活動も必要です。
研修を長々とやって、やっと依頼できるようになったと思ったら辞めてしまうケースもあります。
そんなデメリットもありつつも、この人手不足の時代に社員として抱えるより、双方にメリットがありますので、増えることはあっても減ることはありません。
能力に応じて依頼件数を変えられるので、それによって完全に実力主義になりますし、相手側も依頼件数が少なかったり割に合わなければ断ることもできます。
これからは本業の頭を使う部分を社員がやって、それを実行できる人たちとうまく連携して経営していくのが主流になるのではないかと思っています。
IT関連のアウトソーシング
これはまだ自社でもできていないことですが、ITを絡めてという事業を今後展開しないと中小企業も生き残れない時代にきています。
コンサルでも事例をデータ化したり、統計をとったりしていくことは必須ですし、経理業務もクラウド会計と呼ばれるITやAIを絡めた商品が多数でています。
ITやAIで活用しやすくなった既存のデータや統計情報はもちろん、システムを使って、生産性の向上や効率化していくのは当然ですが、自社の本業の部分で商品やサービスにITやAIを活用していくことが今後必須になっていくでしょう。
自社でエンジニアを雇ってと考えると採用も教育も難しいですし、毎月のお給料を払っていくことも大変で雇用の継続自体が難しいケースが多いと思います。
また、既存のIT業者に頼んでも売れるか売れないかもわからないシステムを作るのに〇百万円というお金がかかり中小企業には現実的ではありません。
インセンティブをつける形で、開発をIT会社、販売と運用を自社のようにして、売上や利益を一定の率でわけるような形で提携できるIT会社があると事業展開はしやすいのではと思っています。
知り合いのIT会社にそういうところがあるのですが、ITを使った商品・サービスをまだ真剣に考えられていないので取り組めていません。
でも今後必須となるはずです。
だからこそ、業務の一部をアウトソーシングし、これからの市場を読み、どんな商品やサービスが世の中で役に立つのかを考えることこそ、経営者や役員を含む社員の仕事にしていきたいと思っています。
編集後記
アウトソーシングというと内製化よりコスト高のイメージがあります。
単純な金額で考えるとコスト高になるケースが多いのが事実ではあります。
ただ、採用コストや教育コスト、退職リスクなどまで考えるとアウトソーシングしたほうが良いケースが増えています。
また、弾力性という意味でもアウトソーシングは経営の安全性を高めます。
仕事がなければコストがかからないというアウトソーシングはリスクヘッジになります。
とはいえ、アウトソーシング先も含めてみんなが幸せになる経営を目指さなければいけませんが・・・
最近、アウトソーシングを増やしていて、かなり結果が出てきたので、ブログに書いてみました。
ぜひ、興味のある方は検討を。
最後に、弊社コンサル会社なので、アウトソーシングを含む経営課題へのご相談に乗りますので、いつでもご連絡をという宣伝を忘れずにさせていただきます(笑)
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