こんにちは。
BelinkのFounde&CEOの吉田和矢です。
私たちの会社は、企業の想いをつなぐことをミッションとしていますから、企業や事業が成長していて、夢や想いに満ち溢れた社長さんと一緒に仕事をさせて頂く機会も非常に多いです。
しかし、多くの成長している企業が陥りやすい落とし穴があります。
本当に多くの企業がこの落とし穴にはまっているのに、自分の企業はそうではないと思ってしまう社長さんが多いので、紹介させて頂きます。
目次
①資金繰りがうまくいかない
売上高は昨年対比〇〇%アップ、利益も〇〇%アップ!!
なのに・・・
資金繰りだけは、いつになっても厳しい・・・
そんな経験はありませんか?
はい、そんなあなたは、もう確実に落とし穴にはまっています。
現金商売でなく、掛けで商売をしている企業は成長しているときほど、資金繰りが厳しくなります。
なぜなら、普通商売は安く買って高く売ろうとするからです。
例えば例題です。
70万円の商品を100万円で売ろうとすれば、入金してから支払をする商売でない限り、利益は50万円出ていますが、先に70万円のお金が必要になります。
支払が1ヶ月後、入金が2ヶ月後とかだったら、もう大変です。
他の経費が全くないと考えても、最初の入金までに140万円は用意しておく必要があります。
損益計算書上は2ヶ月経過時点では売上高200万円、利益100万円ですが、資金繰りは▲140万円です。
それでも同じ売上なら、最初の2ヶ月耐えきれば100万円ずつ入金され始めますから、耐えきれますが、
これが、1ヶ月目は100万円の売上、2ヶ月目は200万円、3ヶ月目は300万円と成長していたらどうでしょうか?
当然仕入も50万円、100万円、150万円と増えていきます。
資金ショートするのは目に見えていますね。
現実には固定費もあります。
いわゆる黒字なのに資金ショートして、黒字倒産するというケースです。
成長中の資金をどう調達するか?
銀行なのか、信金なのか、投資家からなのか、自己資金なのか、入金支払サイトの変更なのか、などなど。
この財務戦略が非常に重要になってくるわけです。
財務戦略を立ててない企業に成長はありません。
これは成長中の時だけでなく、あとあとの企業経営に大きな影響を与える決定なので、行き当たりばったりではなく、良く考える必要があります。
②無理な節税をしてしまう
「日本は税率が高く、かつ、税金が何に使われているかわからない、だから、税金はなるべく払いたくない、脱税はしないけど節税はしたい!」
そう思っている方は非常に多いのではないでしょうか?
気持ちは、ものすごくわかります。
しかし、その節税、ちゃんと自社の財務状態がわかって、正しい方法でやっていますか?
節税には、簡単にわけて4つの種類があります。
①お金が出て行かない節税
例:〆後給与の計上、未払金の計上
*継続性の原則や重要性の原則などの会計基準に従う必要があるので、詳しくは税理士さんと相談して下さい。
②お金は出ていくが、いずれ払う予定である経費の前払い
例:家賃の前払いや、来期買おうと思っていた備品(パソコン等)の購入。
*経費になるものとならないものがあるので、詳しくは税理士さんと相談して下さい。
③お金出ていき、経費にもなるが、貯蓄性があり将来返ってくる見込みのあるもの
例:生命保険、共済など
*何%返ってくるのか、何%経費に出来るのか等、詳しくは税理士さんと相談して下さい。
④お金が出ていき、上記以外の節税
例:決算賞与、広告宣伝など
*もちろん将来への事業への投資目的や従業員のモチベーションアップや還元という効果はありますが、利益が出なければ使う予定のなかったお金のことです。
つまり
どれが良いとか悪いとかではなく、自社にあった節税できてますか?ということです。
もし、そんなこと分類、考えたことなかった・・・税理士さん任せだよ・・・って思ったあなたは落とし穴にはまっています!
例えば、あなたの会社が1,200万の利益がある会社で、1,200万の現金があるとしましょう。
無借金の会社は何をして節税しても、基本的には大丈夫です。(無駄遣いはダメですよ!)
注意すべき点は、払ったお金が100%経費にならない場合もあるので、そこだけは税理士さんにしっかり確認して下さい。
借入のある会社は・・・。
①は大丈夫です、遠慮せずにやりましょう!
②~③は?
仮に借入の返済が月60万円、税率が40%と仮定します。
全額節税すると、1,200万円のお金が無くなります。
手元資金はゼロになるだけですが、よく考えて下さい。
その年の収支は?
利益1,200万円-節税1,200万円-借入の返済720万円(60万円×12ヶ月)=▲720万円のキャッシュのマイナスです。
来年以降このキャッシュのマイナスをどうしましょうか?
そうなんです、借入のある会社は、全額節税しようとすると資金はマイナスになります。
少し長くなりますが、では半分だけ節税という場合は?
500万円の節税をします。結果利益は500万円。500万円×40%=200万円の税金(法人税等)になります。
利益1,000万-節税500万-税金200万-返済720万円=▲420万円のキャッシュがマイナスです。
これが2つ目の落とし穴です。
節税の結果キャッシュがどうなるのか、どういう方法で補うのかなどの財務戦略なくして節税を行き当たりばったりでやっていると資金ショートして成長しているのに潰れてしまいます。
③成長スピードに社内体制が追いつかない
主に人材の成長が追い付かないことが多いと思います。
例えば飲食店で考えると、広告宣伝効果でお客様は増え、売上、利益も増えてきました。
しかし、社内のオペレーションが追い付かず、サービスの質が落ちることが多々あります。
また、社員の労働環境が過酷になり辞めてしまう場合もあります。
(この場合、優秀な社員に負担がかかるケースが多いので、優秀な社員から辞めてしまうことも少なくありません)
内部体制、オペレーションの仕組み化や、人材教育、社風づくり等をおろそかにしたまま、急成長すると、内部から崩壊してしまいます。
もちろん、外部から優秀な社員を雇いつつ、会社の成長に追いつかない社員は切り捨てるという発想であれば、耐えられるかもしれません。
個人的に、そんな会社を作る手伝いをしたいかは別としても、そんな会社でも採用や教育についての戦略がなければ、成長が早ければ、優秀な人材が雇えず、遅ければ、優秀な人材の人件費が負担になり、どちらにしても会社はうまくいきません。
成長する前、もしくは、成長し始めたころから、成長スピードを予測し、〇〇%売上がアップしたら、社内体制はどうなるのか、オペレーションはどうするのか、をイメージしておかないと大変なことになってしまいます。
編集後記
今回なぜこんな内容のブログを書いたかと言うと、今お手伝いさせて頂いている会社が前年対比300%の成長をしているからです。
しかし、この会社は私たちとともに、財務戦略と内部体制づくりを始めました。
業務フローの見直し。実際にはこんな図を5~10枚書いてボトムネックを探します。
やはり社長とお話していると、今がチャンスだから、少し無理してでもどんどん投資して成長拡大していきたいとお話されています。
しかし、成長拡大のスピードに合わせた、財務戦略と内部体制がなければ崩壊するのが目に見えています。
この社長はそこは感覚としてわかっているけど、どうしたら良いか具体的にはわからず、私のとこに相談にきました。
結果、現在急ピッチで作っています。
事業を成長させるということは、非常に難しく、特に難しいのは販売・営業といった売上を伸ばすことだと思っています。
そこを攻めの部分とすると、財務や教育、内部体制といった守りの部分で、すべてが台無しになってしまうのは非常にもったいないわけです。
どうしても成長中の企業の社長は忙しい上に、数字が伸びているので安心して、この守りの部分を疎かにしてしまう傾向があるので、その大事さをお伝えしたくて、長文でしたが書かせて頂きました。
参考までに
私たちの業務内容です。
https://belink.asia/about_business/