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経営に関すること

良い商品・サービスを作ればお客様が自然と増えるという幻想

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良い商品・サービスを作れれば、生み出せれば、自然とお客様が集まり、商品・サービスが売れると思ってはいませんか?

仕事がら多くの経営者の方とお話したり、会社の業績を見させていただいたりするのですが、儲かっている会社とは違って、儲かっていない会社では、良い商品・サービスさえ作っていれば良いという勘違いをして、販売・営業を軽視している傾向があることに気づいたので、今回はそのことについて書いていきます。

良いものを作っていれば売れるという思い込み

起業・独立したばかりの方で多いのは、良い商品サービスを作れば、自然とお客様が増えていくという幻想を描いているケースです。

特に独立前に技術生産系の仕事をしていた人が独立した場合に多く、大きな企業から独立した人であればあるほど、そういう勘違いをしやすい傾向があります。

また、技術職にも多くありがちなケースです。
私は税理士法人に勤めていましたが、税理士も税法に詳しくなれば、経営はうまくいくと思っている人が本当に多くいました。

それ以外にも、美容師、カメラマン、エンジニアなど自分の手に技術を持っていて、技術を磨くことに夢中になりがちな業種であればあるほど、技術があればお客様がくるはずという思い込みに陥りがちです。



こういう方たちは、商品サービスは非常に良いケースが多いのですが、今までは会社のブランドがあり、良いものを作れれば売れていたことを、商品サービスの力(=自分の力)と勘違いしているケースです。
本当は会社のブランド力や営業力のお陰の部分があるのを無視しているのです。

確かにその地域、業界、分野などで、NO1をとれるくらい素晴らしい商品やサービスであれば、営業やセールスをしなくてもお客様の口コミで商売が繁盛していくケースもあります。

しかし、そういうケースは稀で、多くのビジネスでは営業やセールスは絶対に欠かせません。

私も独立したころは、そこの部分を勘違いしていました。
特段販売活動をしなくても、目の前のお客様にさえ喜んでいただければ、自然とお客様をご紹介していただけて、増えていくだろうと・・・

下請け体質の影響

特に中小企業においては、日本の場合、大手企業の下請けを専属でしている企業が多かった(現状でも多い)ため、新規開拓や認知活動という意味での営業やセールスが不要な中小企業が多くあります。

元請け企業の担当者への営業(本当の意味での営業かは別として)は必要なのは事実ですが、◯◯という新商品を作ったから新しい取引先を自ら開拓してこいと言われてできる人は非常に少ないのではないかと思います。

1社依存体質が良いか悪いかはさておき、長らく新規開拓という行為から逃げてきている中小企業が多くあります。

あなたの会社は、1年間で何社の新規のお客様が増えていますか?ゼロだとしたら体質としては下請けと変わりません。
1年に10%ずつは新規のお客様を増やしていきたいものですね。

企業の看板があればできる人も少なくないのかもしれませんが、独立し企業の看板がなくなった時にできる人はほとんどいません。

また、この下請け体質が影響してか、仕事を探すためのセールスはださい、困っているみたいでやりたくないと感じている方が多くいることも、営業や販売が軽んじられる原因の1つです。

成長していない企業のほとんどが営業・販売・マーケティングが欠けている

ここまでの話を読んで、うちの会社や事業はお客様もいるし大丈夫だと思った経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、一歩立ち止まって考えてみてください。

事業は成長していますか?

今いるお客様の大部分が創業前からの知り合いだったり、創業当初からの知り合いだったりしませんか?

もちろん長く付き合っているお客様がいることは良いことです。

しかし、本当に良い商品、良いサービスを作っていれば、そういう人から口コミが広まり、自然とお客様が増えているはずです。

先ほども書きましたが、1年に10%くらいは新規のお客様を増やしていくのが理想ですね。

なぜ事業を成長していかなければいけないかは、またどこかで書きますが、今お客様が増えていないとしたら、「良い商品」「良いサービス」を作っているという幻想を捨てましょう。

本当に良い商品、良いサービスを作れていれば、自然とお客様は増えていくはずです。
それができていないということは、お客様満足を満たせていない商品やサービスしか作れていないということです。



しかし、それでも成長している企業は、

お客様が口コミをしやすいようなフレーズをたくさん用意していたり、お客様が価値を感じやすいように商品サービスを使った時のメリットデメリットを明確にしていたりと、マーケティングやセールスといった活動にも力を入れています。

極論ではありますが、保険会社の営業、証券会社の営業、そして不動産会社の営業は、本当の意味での営業だと個人的に思っていますが、彼らは同じ商品を仮に扱ったとしても売れる人と売れない人に分かれます。

つまり、商品サービスより、売り方によって大きく変わるということです。
また、商品サービスを自分で開発しなくても、他人のモノでも売れれば商売は成り立つということです。

事業の発展には営業力が重要

やりたいかどうかは別としても、買ってくださるお客様が入れば、商品はどこかから仕入れることにより商売は成り立つ訳です。

江戸の商人が火事になった時に、燃えないように真っ先に井戸に投げ込むものは顧客台帳だったという話は有名ですが、火事ですべてがなくなってしまっても、顧客台帳さえあれば商売はすぐにやり直せるという逸話として使われています。

あの有名なドラッカーも経営の目的は「顧客の創造」と言っています。

大きく見れば、良い商品、サービスをつくることも、事業における販売活動の一部です。

良い商品、良いサービスさえ作っていれば良いという職人から、マーケティング、集客、販売、営業という分野まで力を入れることができるようになれば、事業は格段に成長するはずです。

※写真は表参道で見た大きな大根。これだけ大きければ人に話したくなるので、口コミが生まれます。これも販売力かと。。
でかい大根

編集後記

偉そうなことを書きましたが、私も良いものをお客様に提供していれば自然とお客様が増えると勘違いしていた1人です。

前述したとおり、自分でビジネスをはじめたときは、はじめのお客様さえいれば、そのお客様に喜ばれる仕事をし続けていれば、紹介で自然とお客様が増えると思っていました。

大きな勘違いでした。

紹介や口コミが生まれるためには、それなりの仕組みが必要でした。
お客様に喜ばれる仕事をするというのは最低限のことで、大げさにいえば、お客様に喜ばれるために正しい価値を伝えることですら、営業力の1つだと学びました。(決して誇張して伝えるという意味ではなく。)

食事をしに行ったときに、ただ黙って料理を出されるより、◯◯産の脂ののった◯◯を素材の味を活かして◯◯にしました。と言われたほうが美味しく感じるのと同じですね。

メニューやのぼりに料理の素材やストーリーがあったほうが購買意欲が沸くし、満足感が高まるのと同じです。

日本のBtoC(飲食店や美容室をはじめとした消費者を直接お客様とした商売)の工夫は本当にレベルが高いので参考になります。

差別化の一番簡単な方法は異業種からパクること

お客様に喜ばれたくて仕事をしていますので、「商品サービスがよければ・・・」などと傲慢なことは思わず、「売り込みなんてださい」などというつまらないプライドを捨て、お客様が喜んでくださるであろうことを様々なものをお手本にマネしていきたいと思っています。

参考

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内容は、

ステップ1:あなたはなぜ起業したいのですか?
ステップ2:起業のメリットとデメリット
ステップ3:事業アイディアの考え方
ステップ4:どうやって提供するか?営業・販売方法
ステップ5:絶対に避けて通れないお金のこと
ステップ6:あなたのライバルは誰ですか?競合他社を意識すること
ステップ7:起業に必要なことまとめ編

となっており、ステップ4とステップ6に今回の内容の具体的なことも書かれていますので、ご興味のある方は読んでみてください。

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