起業時に悩むこと、苦労すること6つという記事があったので読んでみて、自分が起業した時のこと、そしてこれからを考えてみました。
読んだのはブログ記事でしたが、調べてみたら日本政策金融公庫がアンケートをして出しているデータでした。
出典:日本政策金融公庫の資料でした。それを踏まえて下記の内容を書いています。
目次
起業時に悩むこと・苦労すること6選
第1位:資金繰り・資金調達
第2位:顧客・販路開拓
第3位:税務・財務・法務の知識
第4位:従業員の確保
第5位:従業員教育・人材教育
第6位:仕入先・外注先の確保
番外:経営の相談相手がいないこと、商品サービスの企画開発
出典:日本政策金融公庫より
この悩みは3つの種類に分類できるので、分類してみます。
経験・知識不足の問題
起業している人の多くは、企業に勤めていた時代に、営業や販売で実力を発揮した人か、商品開発やマーケティングで実力を発揮した人、または、会社勤めをしなくとも営業・販売、商品開発・マーケティングなどに自信がある人である傾向があります。
逆に、企業法務が得意、自信があるとか、経理で実績があったからと言って起業する人が少ないことを考えると
第1位の資金繰り・資金調達
第3位の税務・財務・法務の知識
で苦労するというのはわかります。
単純に経験や知識の不足が原因です。
信用力・ブランド力の問題
次に、
第2位の顧客・販路の開拓
第4位の従業員の確保
第6位の仕入先・外注先の確保
については、起業した会社や事業はもちろん、起業した当時には経営者自身にもブランドや信用がないことを考えると苦労します。
よく、会社勤めを経て起業した人が勘違いしていたという、会社で残してきた成績は会社のブランド力やバックボーンがあっての結果であり、自分自身の実力じゃなかったというのがまさにこの部分です。
失礼な言い方になりますが、お客様も従業員も仕入先・外注先もどこの馬の骨かもわからない、いつまで続くかもわからない起業したての経営者に仕事を頼みたくないというのが普通の感覚です。
余程飛び抜けたモノがあるか、今までの知人・友人などを頼む以外では、全く新規でお客様や従業員、仕入先・外注先を見つけ付き合うのは難しいのではないでしょうか?
永遠の問題
最後は、
第5位の従業員教育・人材教育
に関しては、個人的な見解ですが、永遠のテーマであり、永遠に悩むことだと思っています。
人が100人いたら100人とも性格も考え方も違います。
また、世代によって価値観の違いもあります。
環境や家族構成も違います。
会社の目指す方向性や仕組みを整え価値観を統一することで解消できる部分も多くありますが、人の問題で悩んでいないという経営者は私が会ってきた経営者を思い浮かべても稀です。
自分が起業した時
幸いなことに、私は税理士法人に7年勤めていました。
なので、資金繰りや資金調達はもちろん税務や財務の知識に関しても困ることはありませんでした。
4大原則にあてはまる業種を選択
また、コンサル中心の部署に4年超いたこともあり、多くの経営者にお会いして経営のお話を聞く機会にも恵まれました。
そのため、堀江貴文氏が提唱している4大原則にもありますが、起業時には以下の4つのことに気をつけなければと思っていましたし、すべてではないにしても4つのうち2つ以上が当てはまるような業種が何かもわかっていました。
以下、順不同ですが、
①小資本で始められる。
②在庫がない(あるいは少ない)
③利益率が高い
④毎月の定期収入が確保できる
が4大原則です。
最初にはじめたのは、コンサル業でした。
前職の経験が最大限に活かせるということもありましたが、パソコン1台で始められる(小資本)、自分が商品(在庫がない)、コンサル料≒粗利益(利益率が高い)、コンサル料は毎月定額(毎月の定期収入が確保できる)というビジネスにすることができ、4大原則すべてに当てはまったからです。
そのため資金繰り、資金調達に悩むこともないですし、前職では財務・税法だけでなく、法務、労務関係の事務所が併設していたこともあり、そっち方面に触れる機会も多々あったので、第1位の資金繰り・資金調達、第3位の税務・財務・法務の知識で悩むことはありませんでした。
また、その他2社に関しては、どちらも数百万の投資が必要でしたが、片方は日本政策金融公庫の創業融資を使うなどして資金調達し、返済金額や納税も含めて資金繰りをどうするかもイメージできたため苦労することはありませんでした。(もう1社は別の方法で資金調達)
苦労したこと?!
繰り返しになりますが、第1位の資金繰り・資金調達、第3位の税務・財務・法務の知識で苦労することはなく、税務の申告も借入資料も、お客様との契約書も自分で作成もできますし、チェックもできたので、専門家いらずでもありました。
では、何で一番苦労したかというと、
第2位の顧客・販路開拓
です。
前職が税理士法人とはいえ、営業マンも兼ねていて、年間に300〜500万くらいの新規開拓をコンスタントにしていたので、あまり心配はしていなかったのですが、お客様からの紹介中心だったため、最初は苦労しました。
なぜなら、紹介してくれるお客様がいなかったからです。
今書くと恥ずかしい以外の何者でもないのですが、最初は少なくても年200万ずつ開拓していけば、毎月の顧問契約が半永久的に続くので、2年目には最低でも400万円はいくなと安易に考えていました笑。
更には1年で顧問契約の年間報酬が1,000万を目標にしようと思い公言していました。(今考えると無謀でしたが、公言していたからこそ時間はかかりましたが、1年半後に達成できたのだと思います)
しかしラッキーなことに起業してすぐに、飲み会で知り合った経営者が2人ほど契約してくれました。(別々の飲み会です)
今思うと本当に運の要素が強くて、あれがなかったら今頃どうなっていただろうと思っています。
本当にお2人には感謝しています。
次に、学生時代の旧友と飲みに行く機会が意外と頻繁にあり、その何人かの中に起業している人が2人ほどいて、話しているうちに財務や資金の部分、人材教育の部分で手伝って欲しいという話になりお客様になっていただきました。(2人は別々の時代の友人でお互いは知り合いではない)
その後は少しずつですが、この4人の方がお客様を紹介してくださり、お客様も増え、そのお客様がまたお客様を紹介してくださり、ありがたいことに今では受けきれないほどの紹介件数になりました。
こう書くとあまり苦労した感じがしませんが、紹介が発生するまでには時間もかかり、お客様が増えないという悩みで夜も眠れない日も少なくありませんでした。
今でも第2位にある顧客・販路開拓に関しては明確な方程式のようなものがなく、運頼み、他人任せになっていて大きな悩みの1つです。
ただ、ラッキーなのは1回限りのお客様というのが存在せず、半永久的に継続するお客様ばかりの業種ですので、来月の売上が・・・と悩むことがないというのは救いです。
一方で、毎月新しい価値を提供し続けなければいけない、マンネリ化させないために何をするかという悩みと、前職の税理士のように必ず必要ではなく、業績が悪化すればコストカットの対象に真っ先になるので、そういう不安とリスクは常に隣り合わせではあります。
また、集客ルートは複数持ったほうが良いのはわかっているのですが、紹介と一度会ったことがある人がブログやFacebookを見てご連絡してくださるくらいしか現在はありません。
今後、成長発展していくためには、あと2つくらい集客ルートが必要だと思っています。
いくつか試してみたいことがあるのですが、ここでは割愛します。
今後の課題
コンサル業
コンサル業に関しては、この資料の悩みには書かれていませんが、商品・サービス内容を均一化と仕組み化をすることです。
当初の計画とは違い、自分自身ができることすべてを商品サービスにして展開してしまっているため、
財務、資金調達、会計、資金繰りはもちろん、
など多種多様な内容になってしまっている上に包括的にコンサルしている企業もあるからです。
そして、自分自身を売ってしまっているため他の人でも良いと言ってくださる方がいないだろうということです。
これを誰がやっても同じクオリティになるように商品・サービスの均一化と仕組み化をしていかなければいけません。
そしてサボってきたことではありますが、現状自分自身が訪問して経営者と話しをするのが中心で、何か納品物や資料があるわけではありません。
臨機応変さももちろん大事ですが、ある程度型となる形や資料を作らなければいけないと感じています。
その他の参画している事業
こっちは両方とも型があり、教育すれば誰でもできる仕組みが整いつつあります。
そして教育に関しては、人材教育をコンサル事業の1商品として扱っていますし、特に大きく課題になることはないと思っています。
もちろん、従業員が100人いたら、100個問題が起こるという格言もあるように、短期的にはいろいろと起こるとは思いますが・・・
それよりも重要なのは、ランキングにも入っていた
第4位:従業員の確保
第6位:仕入先・外注先の確保
です。
採用に関しては、少し関わっていた時期があるのである程度流れはわかるのですが、ブランド力の差はもちろん、業種業態が違うので、どの媒体を使えば良いのかという知識も経験もないので手探り状態ということです。
また、当時と今では買い手市場から売り手市場に変わってきているという状況もあり、なかなか苦戦中です。
更には仕入先や外注先に関しては全く経験がありません。
何せコンサルも税理士業も粗利益100%の事業ですので。
仕入先・外注先の確保どころか付き合い方すら手探りです。
お互いの利益のためにどうしたら良いのかというところから考えていかなければいけないと思っています。
編集後記
話が完全に脱線しましたが、最初他のブログで見つけた「起業時に困ること6つ」みたいな記事を読んで自分自身の体験と比較してみました。
結論は、
第1位:資金繰り・資金調達→自社サービスの1つのため苦労していない。
第2位:顧客・販路開拓→本当に初期にもの凄く悩んだ
第3位:税務・財務・法務の知識→苦労していない。(財務は自社サービスの1つ)
第4位:従業員の確保→今後の課題
第5位:従業員教育・人材教育→自社サービスの1つのため苦労していない。
第6位:仕入先・外注先の確保→今後の課題
となりました。
番外に入っていた「相談できる相手がいない」というのも面白いなと思いました。
そもそも、経営者は孤独である、そんな孤独な経営者の相談相手になれたら、そのためには自分自身も経営者でなければ経営者の気持ちはわからないというのが起業した経緯の1つでもあります。
ぜひそういう悩みがある方のお役に立てたらと思っています。
この日本政策金融公庫の起業時に苦労したことランキングも面白いですが、個人的には以前ブログに書いた金持ち父さん貧乏父さんから学ぶ経営ステージとその悩みの考え方のほうがしっくりきました。
とはいえ、これを読んで気づいたのは、人が悩むこと苦労することを商品・サービスにしているからこそ、お客様に喜ばれるし必要とされるのだということです。
もっと多くの中小企業を支援できるように頑張ろうと改めて思いました!!
最後に久々のブログ更新となってしまいましたが、また定期的に更新していきます!(←何度も言っているような気がしますが・・・)
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